この記事で具体的な産後ケアに関する仕事内容を記載します。具体的にどんな仕事を行うのかみていきましょう。
(1)母体のアセスメントとケア
子宮復古状況、悪露の性状、乳房の状態、会陰部の傷の治癒など、母体の回復過程を詳細にアセスメントします。異常があれば速やかに医師や助産師に報告し、適切なケアを実施します。
(2)新生児のアセスメントとケア
新生児の全身状態、哺乳力、黄疸の有無などをチェックし、成長発達を評価します。沐浴や臍帯ケア、衣服の調節など、新生児の日常ケアも担います。
(3)母乳育児支援
母乳育児を希望する母親に対し、正しい授乳姿勢や乳房ケアの方法を指導します。母乳量の評価や乳頭トラブルへの対応など、きめ細やかなサポートを行います。
(4)育児指導
おむつ交換、抱き方、寝かせ方など、基本的な育児技術を丁寧に指導します。母親の手技を確認し、不安を解消しながら、自信を持って育児に臨めるよう支えます。
(5)母親の心のケア
産後うつのリスクアセスメントを行い、必要時には専門家への相談につなげます。母親の話に耳を傾け、共感的態度で接することで、心理的安定を図ります。
(6)退院指導
退院後の過ごし方や注意点について、分かりやすく説明します。外来受診の予定や市区町村の子育て支援サービスなど、社会資源に関する情報提供も行います。
(7)カンガルーケアの実施
早期母子接触やカンガルーケアを推奨し、母子の絆形成を支援します。肌と肌の触れ合いを通じて、母子双方にもたらされる生理的・心理的効果を説明します。
(8)多職種との連携
母子の状態や家族背景によっては、医療ソーシャルワーカーや臨床心理士など他職種の介入が必要となります。看護師は、多職種間の調整役として、円滑な連携を促進します。